走り幅跳びがどのくらい跳べるか予想できる方法が判明

はじめに

今回は走り幅跳び選手に向けたお話になります。

よく質問されることの一つに、「いまのスピードでどのくらい跳べますか?」といったものがあります。

TwitterのDM(いつでも質問受付中)でもそんな質問を何回か見たことがあります。

そんな悩みを解決してしまう研究を見つけましたので、ご報告したいと思います。

今回は実験ではなく理論値を出していますので、目安として考えてもらえれば結構です。

スピードと跳躍角度の関係式

英語で読みづらいかもしれませんが、横軸が跳躍角度で、縦軸が跳躍距離(走り幅跳びの記録)となります。

さらに、スピードが色によって分かれていますので、それぞれの踏切速度ごとのグラフがあると思っていただいて大丈夫です。

ここで問題となるのが、100mの記録とグラフの速度をどう比べるかになります。

分かりやすい例を紹介します。

ウサイン・ボルト 9秒81 11.95m/s

桐生義秀     10秒06     11.44m/s

桐生選手の場合は緑色のグラフとなって、タイム的には8m以上跳べる計算になります。

すごいですよね!

ボルト選手が幅跳びに挑戦しようとした理由もわかりますよね。

しかし、これだけのデータでは中学生や高校生には適応できないですね。

そこでこんなデータを持ってきました。

こちらは、100mの記録と最高スピードの関係です。

この2つのグラフを利用して自分の今跳べる距離を計算してみてください!

自分の記録よりも予想が大きかった場合は本当はもっと跳べることになるし、小さかった場合は、踏切技術がうまいことになります。

たとえば、

11秒00くらいだと10.25m/sで上の黄色と紫のグラフの真ん中あたりになり、最高跳躍距離が大体7mくらいになります。

このまま後ろに直線を伸ばすと考えると、11秒5で9.5m/s隣、最高跳躍距離が6mとなります。

んっ?

おかしいと思いませんか?

おそらく皆さんの経験則だと11秒5あれば7mはいけると考えられます。

ここで勘違いしてはいけないのが、これはトップスピードの速さを利用しているからです。

走り幅跳びの選手には、100m走り切る体力はないけど、

瞬間的な速さ、つまりトップスピードがずば抜けて速い選手がいます。

そんな選手はこのグラフに加えてプラス50cm以上は跳べることになります。

跳躍角度はいつも同じ

さらに、面白いのが最初のグラフを見てみてください。

グラフの頂点が来ているところがすべて同じ角度で30~40度ですよね。

跳び出し角度を自分で計算することは難しいですが、動画を見て気にしてみてください。

きっと記録が伸びますよ!

ほんとにそうなのかなって、不安になる人は、橋岡選手の動画を見てみてください。

意外と上よりも前方に跳んでるんです。

それでは!


最大疾走速度について

Kinematic and Biodynamic Model of the Long Jump Technique

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